鉄釉の黒と茶、焼成で何が起きているか
著者:松田 沙織 — 工房主宰、
鉄釉は、酸化鉄を含む土や釉薬を使って焼くことで、黒・茶・赤茶など様々な色を出す技法です。Lineage Coreでは栃木の赤土と組み合わせて使っており、焼成後に現れる斑点模様が特徴のひとつになっています。
鉄釉の色は焼成雰囲気で変わる
鉄釉の色は、焼成中の窯の中の酸素量によって大きく変わります。酸素が十分にある「酸化焼成」では赤茶から茶色になりやすく、酸素が少ない「還元焼成」では黒や深い茶になります。薪窯では炎の状態によって窯の中の雰囲気が変わるため、同じ器でも位置によって色が異なることがあります。
栃木の赤土との組み合わせ
Lineage Coreで鉄釉に使う素地は、主に栃木の赤土です。赤土自体に鉄分が含まれているため、鉄釉をかけると素地の鉄分と釉薬の鉄分が反応し、焼き上がりに独特の斑点が出やすくなります。
この斑点は「鉄斑」と呼ばれ、意図的に出そうとしても毎回同じようには出ません。温度の上がり方、施釉の厚さ、窯の中の位置。複数の要素が重なって生まれるため、一点ずつ表情が異なります。
鉄釉の器を使い始めるときに知っておくこと
鉄釉の器は、使い始める前に「目止め」を行うことをお勧めしています。米のとぎ汁で10分ほど煮るか、米を炊く際に一緒に入れておくだけで、器の細かい気孔が塞がれ、においや汚れが染み込みにくくなります。
洗い方は通常の食器と同じで構いません。ただし、食器洗浄機は釉薬の表面を傷める可能性があるため、手洗いをお勧めしています。使い込むほどに表面が落ち着き、手に馴染んでくるのが鉄釉の器の良いところです。
鉄釉の湯呑とプレートは現在の在庫作品としてご用意しています。在庫状況はお問い合わせでご確認ください。