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信楽の並土を使う理由と、土の性質について

著者:松田 沙織 — 工房主宰、
日当たりの良いスタジオで陶芸に取り組む職人、創造的なプロセスと職人技を捉えた一枚。

陶芸に使う土は、産地によって性質が大きく異なります。Lineage Coreでは主に信楽の並土と栃木の赤土を使っています。どちらを選ぶかは、作りたい器の形と釉薬の組み合わせによって変わります。

信楽の並土の特徴

信楽の並土は、粒子が粗く、焼成後に表面に自然な凹凸が残ります。ろくろで挽くときに土の抵抗感があり、薄く挽き上げるには技術が必要ですが、その分、焼き上がりに力強さが出ます。灰釉との相性が良く、釉薬の青灰色が素地の粗さと対比して落ち着いた表情になります。

信楽の並土は耐火性が高く、薪窯の高温焼成にも向いています。Lineage Coreでは飯碗と花器に主に使っており、焼成後の重さが適度に出るため、安定感のある器になります。

栃木の赤土との違い

栃木の赤土は、信楽の並土より粒子が細かく、ろくろで薄く挽きやすい土です。鉄分を多く含むため、素地自体が赤茶色をしており、鉄釉をかけると素地の鉄分と反応して独特の斑点が出ます。

赤土は吸水性が高いため、使い始めに目止めを行うことをお勧めしています。米のとぎ汁で煮るか、米を炊く際に一緒に入れておく方法が手軽です。

土の仕入れとロットの違い

土は地元の陶土商から仕入れていますが、同じ産地の土でもロットによって水分量や粒子の細かさが微妙に異なります。新しいロットが届いたときは、必ず試し挽きをして水分量と練り加減を調整してから本制作に入ります。

この調整を怠ると、成形中に土が割れたり、乾燥中にひびが入ったりすることがあります。土の状態を確認する作業は地味ですが、仕上がりに直結する工程です。

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